テニスの事4の続き
◆飛ばないストリング・セッティングはエスカレートしやすい
プレイヤーの運動が打球に伝わりにくいラケットを使っていると、力を入れて打ち始めるのですが、そうすると、スッポ抜けのアウトが出やすくなります。
飛びの悪いラケットでアウトが出るのはボールの飛びが悪いからです。
飛びの悪いラケットではボールを飛ばそうとして力が入るので、プッシュアウト気味のアウトになるわけです。
ラケットが飛びすぎる場合もアウトは出ますが、その場合は、プレイヤーのスイングが萎縮することが多く、ラケットが飛びすぎるせいで力を入れて打つようになることはありません。
でも、飛びの悪いラケットでアウトが出ると、多くのプレイヤーはもっと飛びを抑えてアウトを防ごうとします。
そして、飛ばないストリングを選んだり、張りを硬くして飛びをセーブしてコートに落とそうとするのですが、それによって状況はさらに悪化して、もっと力を入れて打つようになって結果的にアウトは減らないのが普通です。
飛ばないストリング・セッティングはエスカレートしやすいわけです。
仮に、ラケットの飛びを抑えて打球がコートに入る状態が手に入ったとしても、それは飛んでいく勢いが無くなってコートに落ちているだけなので、相手にとってはとても嬉しい状態と言えます。
それに対して、バックネットに直線的に突き刺さるくらいの勢いのある打球を、順回転で押さえ込んでコートに入れている状態のほうがずっと望ましいわけです。
◆ヘッドスピードで打てるラケット
ラケットの運動エネルギーは、【ボールに当たるラケットヘッドの重さ】✕【ヘッドスピードの二乗】で計算されるため、とにかく「ヘッドスピード命」なのですが、そういう状態を自分のモノにするには、打球感が軽い「伝わるラケット」が必要です。
なぜなら、打球衝撃が小さくならないとヘッドスピードが上がらないからです。
しっかり打った感じがするラケットでは、力を入れて打つ状態から抜け出すのは難しいでしょう。
でも、伝わるかどうかはプレイヤーとラケットの相性次第のことなので、自分に合うラケットを探すことが最優先の問題だと言えます。
単純に区分けすると、「ヘッドスピードで打てるラケット=自分に合うラケット」で、「力で打つようになるラケット=合わないラケット」ということです。
終わり